AI研修の助成金、実質1/4で受けられるのは今年度までという話

「AI研修って、いくらするんですか」と聞かれて金額を答えると、だいたい一拍、間が空きます。大阪で中小企業の社長さんたちと話していると、この間の意味はよく分かります。やりたい。やらなあかんのも分かってる。でも今期の予算にそんな枠はない。
そこでこちらが「国の助成金を使うと実質4分の1くらいになりますよ」と言うと、たいてい「え、そうなん?」という顔をされます。この制度、驚くほど知られていません。もったいないので書いておきます。
制度の名前だけでも覚えて帰ってください
人材開発支援助成金の「事業展開等リスキリング支援コース」。長い名前ですが、要するに「会社が社員に新しい分野の勉強をさせるなら、国が費用を持ちますよ」という制度です。生成AIの業務活用研修は、この「新しい分野」にきれいに当てはまります。
肝心の数字を書くと、中小企業の場合、訓練経費の75%が助成されます。100万円の研修なら75万円戻ってきて、会社の持ち出しは25万円。世の中で「実質1/4」と言われているのはこの計算です。
例: 研修費用が100万円の場合(中小企業)
※ 人材開発支援助成金・事業展開等リスキリング支援コース(経費助成75%)で計算。2026年度が最終年度。助成金は後払いです。
ひとつだけ急ぐ理由があって、このコースは2026年度で終わる予定の期限付き制度です。年度の後半になるほど申請は混みますし、社内の日程調整にも意外と時間を食います。「来期に検討」と言った会社から順に、間に合わなくなっていきます。
先に知っておいてほしい、地味な落とし穴
いいことばかり書くのはフェアじゃないので、つまずきやすい所も書きます。
まず、助成金は後払いです。研修費はいったん全額払って、支給は後から。「最初から25万円だけ用意すればいい」わけではないので、資金繰りにはそのつもりで臨んでください。ここを勘違いしたまま話が進むと、あとで気まずくなります。
それから、研修を受けた後に申請するのではなく、訓練計画の届出など「事前の」手続きがあります。順番を間違えると対象外です。
もうひとつ、これは業界の内側から言っておきたいのですが、申請書類の作成は社会保険労務士など資格を持った専門家の仕事と法律で決まっています。研修会社が「申請もぜんぶウチで代行します」と言ってきたら、それは親切ではなく危険信号です。うちは提携の社労士さんに申請サポートをお願いする形にしています。餅は餅屋です。
研修だけやっても、現場は変わらなかった
正直に書きます。座学だけのAI研修は、翌週にはもう誰も使っていません。ChatGPTの画面を全員で眺めて、へえ、と言って終わる。そういう研修を私たちも見てきました。
変わったのは、研修の中に「自社の業務の棚卸し」を入れるようになってからです。教材が一般論ではなく、自分の会社の見積書の下書きであり、FAXで届く注文の転記であり、月末の日報集計になる。「この作業、AIやとこうなります」を自分の仕事で体験した人は、月曜日からも使い続けます。
助成金で研修を安く受けること自体は入口にすぎなくて、そこから実際の業務がひとつずつ楽になっていくところまで行って、はじめて投資として回収できた、と言えるんだと思います。
で、何から始めればいいか
制度の細かい要件を自分で調べ始めると、たぶん途中で嫌になります。おすすめの順番は逆で、まず「自社のどの業務に効くのか」を先に見ることです。
うちのAI研修・AI実装サービスでは、研修の前に無料の業務診断をやっています。会社に伺って、事務仕事にどれだけ時間がかかっているかをその場で一緒に測る。数字を見てから、研修と助成金の話をするかどうか決めてもらう。大阪・関西エリアは対面で伺っています。合わなければ、そこで終わりで結構です。
※ 助成金の要件・助成率・期限は変更される場合があります。最新の情報は厚生労働省の公式情報、または社会保険労務士にご確認ください(本記事は2026年8月時点の情報です)。
営業とAI導入のご相談は、初回無料で承っています。
御社の状況を伺い、最適な進め方をご提案します。
